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女神ベレギーニャ
- 2016/09/05
- 02:24

ピサンキに描かれるシンボルの中に、
ベレギーニャと言う女神のシンボルがあります。
ベレギーニャは鳥や鹿などのモチーフより歴史が古く、
ピサンキを語る上では欠かせない由緒正しいシンボルです。
今日はこのベレギーニャについてお話ししたいと思います。
キリスト教が伝わるその遥か昔、
古代東スラヴでは地母神信仰が広く根付いていました。
農耕民族の彼らにとって、作物を実らせてくれる大地は
とても大切で神聖なもの。
豊穣を生み出す大地→産む→女性の神様・・と言うわけで、
人々は大地を女神に見立て崇拝したのです。
ベレギーニャと呼ばれるこの女神は
生きとし生けるものを創造し育む神とされています。
動物も植物も、すべての命は彼女によってコントロール
されていると考えられていました。
トップの切手の画像はキエフの独立広場に立っている
ベレギーニャ像です。
(ウクライナの守り神的な扱いらしいです。
ベレギーニャの語源が「守る」と言う言葉に似ているのだとか)
ベレギーニャの外見のイメージをつかんで頂くために載せました。
両腕をあげ、手には植物を持っているのが一般的なイメージらしいです。
で、伝統的なピサンキに描かれたものがこちら:

かなりデフォルメされていますが、腕をバンザイしている感じはわかりますよね?
ベレギーニャは千手観音同様、腕を複数描くのが定番のようです。

頭には王冠が乗っています。笑っていいとも風なポーズです。

横向きバージョン。王冠が可愛い。
スカートはいてます。
・・・と、この辺までは人っぽいデザインなのですが・・・
・・そ、そうか?
ベレギーニャは生と死、善と悪、天と地、など
二面性の象徴でもあります。
産むのもベレギーニャなら、殺すのもベレギーニャ。
優しい母でありながら、時には無慈悲に命を奪う・・・
そういう女神だったようです。
で、この二面性を表現したピサンカがこちら:

「S」字のように、上と下で二つの顔を持っています。
三本の羽飾りのようなものは王冠ではないかと思われます。

このような、「S」字にとさかを乗せたベレギーニャのデザインは
他にもたくさん存在します。
もう・・・びっくりするほどたくさん。
さらに、ベレギーニャのデフォルメは
とどまる事を知りません:

シュールです。

シュールすぎます。手に植物を持っています。

もはや切手の画像のベレギーニャとは似ても似つかないものに
なっています。
ちなみに下に描かれた「くるん」とした線は
地下王国の神様であるヘビだそうです。
ヘビの上にベレギーニャが乗っていて、
ベレギーニャの頭上には天界をあらわす太陽が描かれています。
このようなベレギーニャのデザインがまだまだたくさん
存在します。
あらかじめ知らされていなければ、ベレギーニャだとは
絶対にわからないでしょう。
もし、どこかでシュールなデザインのピサンカに出会ったら、
そしてそれが下のいずれかの条件に当てはまったら、
ベレギーニャかも知れません:
・腕をバンザイしている
・王冠を頭に乗せている
・くるん・・とした曲線
・手に植物を持っている
・装飾付き、真ん中で分断されたS字(装飾なしのS字は蛇のシンボル・・紛らわしい)
・キリル文字のジェーに似ている(フォントが出せない〜)
さらに、さらに・・・
ベレギーニャは時には「生命の木」に
なったりもします。
生命の木はベレギーニャの化身なのです。
・・・長くなるので、この話はまた別の機会に。
そんなわけで、
とても奥深いベレギーニャにまつわるお話でした。
(他のシンボルの説明は数行ですむのですが・・・
やはりベレギーニャは特別かも)

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